真偽判定の基準

現実反映性

防犯カメラに映された現実はまさに現実そのものであるが、人間の体験供述は防犯カメラの映像と異なっている。それは体験供述は、人間の知覚と記憶、記憶の保持、検索と表出という人間の行為を介して述べられるのもであるため、変容するのは当然であるからである。

①時間的、物理的、論理的整合性

現実の出来事は、時間的にも物理的にも論理的にも整合している。したがって、真実の記憶も時間的、物理的、論理的に整合している。よってこれらの点で整合的でない場合には、その供述は真実の記憶ではないことになる。

②他の証拠や事実による裏付け

真実に体験したことは周囲の事実によって裏付けられている。現実の中で人間が行動して起きたことは、周囲の出来事等の事象によって影響されて生じたものであり、その行動は、後に周囲の人や物に物理的、あるいは心理的あるいは因果関係的に影響を与える。これに反する体験事実はあり得ない。しかし、客観的な(存在自体明らかな)事実によって裏付けられる記憶というものは必ずしも多くはない。他の事実によって裏付けられるとしても、その事実自体が他人の記憶である場合には常に不確実さが付きまとう。まして、他の事実の裏付けがない記憶は、更にその真偽の判断が難しい。

③必然性

誰でも、車の運転は危険だと知っている。事故を起こすのは大変であること、ゆえに、事故を起こしたくないと思っている。普段は事故を起こさない。それは、上記の事情から運転に注意しているからである。にもかかわらず、事故が起きたのにはやはり必然性があるのである。事故を起こした者の運転の際の注意の仕方、その前提となる日常生活上の考え事や急いでいた事情、体調の不良や通行人等付近に気を引く物や周囲の車両への運転行為の予測不可能性や危険性等の事情が存在しており、それが、不注意な運転に繋がり、事故に結び付いたのである。

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